消費税率10%施行日到来|消費税引上げに関する動向(弁護士:下山田聖)
令和元年10月1日を迎えました
昨日10月1日、消費税(地方消費税含む。)が、これまでの8パーセントから10パーセントに引き上げられました。
消費税は,平成元年4月1日に3パーセントで導入され、平成9年4月1日から5パーセント、平成26年4月1日から8パーセントとなり、今回で3回目の引上げになります。
一部企業で、システム障害により0パーセントの税率を適用してしまったり、従前の8パーセントのままで精算してしまったりと、若干の混乱が見受けられたようです。
消費税10%引き上げに伴う政府発行のガイドラインとは
さて、消費税について、内閣官房や内閣府等の連名で「消費税の円滑かつ適正な転嫁のために〈10%引上げ対応版〉」というガイドラインが発行されています。
消費税の負担者というのは、最終的には「消費者」ということになっていますので、あたかも消費者が消費税を負担していないかのように誤認させる可能性のある広告・表示は禁止されています。
例えば、
「消費税はいただきません。」
「消費税は当店が負担しています。」
などの表示がこれに該当します。
また、事業者間の取引について、下請事業者等がしわ寄せを受けた結果適切な消費税分の価格転嫁ができず、実質的に増税分を負担させられることのないよう、減額や買いたたき等の行為は禁止されています。
今回の引上げに際しても、「転嫁Gメン」が監視を行っているようです。
※転嫁Gメンとは、「消費税転嫁対策調査専門員」の通称であり、主な役割は、消費税引き上げに伴う転嫁拒否を取り締まる事となります。
今後も消費税が断続的に引き上げられていくかどうかは分かりませんが、契約書等の定め方についても、将来的な増税があり得ることを前提に、条項を工夫することが必要となってくるのではないでしょうか。
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