2018.2.7

「はれのひ」破産~新成人たちはどうなる?

弁護士の 今井 慶貴 です。

 

 

成人の日に営業を停止した着物レンタル業者「はれのひ」が1月26日、横浜地裁から破産手続開始決定を受けました。

 

報道によると、被害者は約1,300人で、保管している振り袖約1,200着のうち、約400着が顧客の預かり品、約800着がレンタル用ということです。

また、負債総額は約6億円強、税金の未払いも多額にあるようです。

 

さて、被害者の新成人たちの被害はどう救済されるのでしょうか?

 

 

まず、代金支払済みで預けている状態の振り袖は、管財人から返還されることになるでしょう。

破産法では、自己の所有権のあるものの返還を求める権利=取戻権(とりもどしけん)が認められています。

 

これに対し、レンタル着物などの代金を前払いした人たちは、破産債権者として、配当を受ける可能性があるにとどまります。

はれのひの資産を換価・回収してできた金銭の中から、まずは管財人の報酬や諸費用を支払います。

 

次が税金や労働債務の支払いがなされます。これらは財団債権や優先的破産債権というグループです

その次が、ようやく一般の破産債権になります。

 

買掛金、未払金、無担保の借入金などであり、これらの債権額に対する配当のパーセンテージが配当率といわれるものです。

 

仮に、会社に詐欺的な要素があったとしても、新成人たちの損害賠償請求権の取扱いが変わるわけではなく、結局泣き寝入りです。

 

 

被害を受けた新成人や親御さんは、まさに成人の門出の「晴れの日」にこんな目にあってしまい、同情を禁じ得ません。

 

当日やその後に支援の動きがあったことがせめてもの救いです。