リモートハラスメントとは

この記事の監修者
弁護士法人一新総合法律事務所

弁護士法人一新総合法律事務所

新潟県弁護士会・長野県弁護士会・群馬弁護士会・東京弁護士会

所属弁護士数20名以上。新潟5拠点(新潟・長岡・上越・燕三条・新発田)、長野2拠点(長野・松本)、高崎、東京の全9拠点を構える総合法律事務所です。
当事務所は1978年4月に開設され、その後、弁護士法人を作れるようになった2002年4月にいち早く法人化しました。
事務所全体で300社以上の企業との顧問契約があり、企業法務全般(労務・労働事件(企業側)、契約書関連、クレーム対応、債権回収、問題社員対応など)に対応しています。

新型コロナウイルスが流行り始めた頃より、リモートハラスメント(リモハラ)という言葉が生まれました。

リモートワークの普及に伴って相手に不快感を与える言動などのハラスメントとして認識される言葉です。

上司が過剰に部下を監視することや業務時間外も在宅による勤務を強要すること、リモートワーク環境下におけるパワハラやセクハラなど様々なものを含めます。

2023年になりました現在でも、リモートワークは盛んであることから気を付ける必要があります。

リモートハラスメントの発生の原因は上司が部下の仕事を監視しようとすること、チャットやメールなどの言葉遣い、プライベートへの配慮が欠けることなど様々です。

リモートワーク中に、相手の仕事ぶりを見ることはできないため、上司が部下の働く状況を把握することは難しく、本当に仕事をしているのだろうかと思うことは無理もないと思います。

ただ、過度に連絡やメールを送り過ぎることや「返信が遅い」などと連絡することは避けるべきです。

部下は、自分が上司に信用されていないと感じることや自宅でも監視されていると感じるケースが多いようです。

チャットやメールで連絡をする際の言葉遣いにも注意が必要です。

普段の言い方のとおりであったとしても、文章であれば受取手の印象は変わり、威圧的に感じることがあります。

リモートワーク中、社員は自宅などのプライベート空間で仕事をしています。

つい配慮を欠き、夜中や自身の都合の良い時に連絡をすることや、ウェブ会議中に映った相手の部屋に対する言動が、部下の心理的不快感に繋がることがあります。

企業は、リモートワークをする際の注意点や決まりを周知することによって、リモートハラスメントの防止を期待できます。

例えば、リモートワーク特有の部下への配慮、オンライン会議中のバーチャル背景の利用やチャット等で連絡する際
のですます調の推進です。

上司は、部下との丁寧なコミュニケーションを心がけることが重要です。

職場とは異なるプライベート空間で仕事をしていることにも配慮する必要があります。

今回はハラスメントに関する記述をしましたが、リモートワークの際に注意すべき事は他にも多くあります。

厚生労働省が「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」をHP上で公表しているため、検討すべきことについてご参考としていただければと思います。


<初出:顧問先向け情報紙「コモンズ通心」2023年1月5日号(vol.276)>

※掲載時の法令に基づいており、現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。