2018.3.22

非正規待遇格差について最高裁が初判断へ(弁護士:五十嵐亮)

弁護士の 五十嵐 亮 です。

 

同一労働同一賃金に関する「長澤運輸事件東京高裁判決」および「ハマキョウレックス事件大阪高裁判決」の最高裁での弁論期日がいよいよ指定されました。

 

非正規待遇格差 最高裁が初判断へ 4月に弁論 :日本経済新聞

 

この2つの事件は、正社員と非正社員の待遇の格差が違法かどうかが争われたもので、労働契約法20条が禁じる「不合理な格差」の線引きが争点となっています。

 

今回は、同一労働同一賃金についてみていきたいと思います。

 

 

同一労働同一賃金の問題は、平成28年5月に出された東京地裁判決(長澤運輸事件)をきっかけに大きくメディアに取り上げられるようになりました。
無期雇用社員と有期雇用社員の賃金の不合理な格差をなくすことを目的としています。

 

政府も、「同一労働同一賃金」を多様な働き方を目指す「働き方改革実行計画」の中の重要課題として位置付けており、平成28年12月には「同一労働同一賃金ガイドライン案」を策定し、現在法改正に向けた準備が進められています。

 

その後、ハマキョウレックス事件、ヤマト運輸事件、日本郵便事件などこのテーマに関する判決が続々と出されています。

 

これらの裁判例では、基本給の格差の他、各種手当(住宅手当、通勤手当、無事故手当などなど)の格差も違法だとして争われています。

 

 

 

これらの格差が違法とされると、未払い残業代のように、過去の未払い分をまとめて支払う義務が生じますので、企業としては放置すると大きなリスクを抱え込むことになります。