従業員の不適切動画投稿を防ぐには?(弁護士:今井慶貴)
ここ最近、飲食店やコンビニ店のアルバイトが食材などを使って悪ふざけをした動画をSNSに投稿するニュースが続いていますね。
俗に、”バイトテロ”などともいわれるSNS投稿を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?
まずは、”物理的”に、スマホを職場に持ち込ませない、ロッカー等で預かるという方法はどうでしょうか?
これは、飲食店やコンビニを想定すると人員構成や設備的な面から、現実的ではないかもしれません。
すると、”従業員の意思に働き掛ける”対策ということになります。
従来からの対応としては、①ルール(就業規則やSNSポリシー)を作る、②誓約書に盛り込む、③研修を行う、といったところが王道ですが、アルバイトの人達に認識してもらうところまで落とし込むことが難しいことは、今回のニュースが示すところです。
ニュースの中で、Instagramで24時間たてば投稿が自動的に削除される機能(ストーリー)を使って仲間向けに投稿されたものが、TwitterやYouTubeに転載されて拡散したという話がありました。
つまり、バレないと思ってやったというわけです。
結果、行き着く先が”厳罰対応による一般予防”です。
今回の被害企業の中には、退職処分のほかに、「一石を投じる」として、民事・刑事の法的措置をとるとのコメントを発した企業もありました。
ニュースになることで、そういう愚行をする人が一時的にでも減るのであれば、多少なりとも意味はあるのかもしれません。
結局のところ、ネットリテラシーが低い仲間内での悪ふざけ的な事案を防ぐには、他者を侵害しないというSNSのモラル+社会的制裁も含めた投稿者自身のリスクが”常識”となるように、家庭・学校・職場・ニュースなどの至るところで啓蒙していくしかない、というのがひとまずの結論でしょうか。
関連する記事はこちら
- リモートハラスメントとは(弁護士:楠浦 貴人)
- 電子署名の裁判上の取扱い(弁護士:鈴木 孝規)
- 従業員コンプライアンス教育<第3回>(弁護士:薄田 真司)
- 従業員コンプライアンス教育<第2回>(弁護士:薄田 真司)
- 従業員コンプライアンス教育<第1回>(弁護士:薄田 真司)
- ネット広告における無料掲載期間経過後の代金請求を受けている相談事例(弁護士:和田光弘)
- 消費者保護のための特定商取引法改正がありました。(弁護士:朝妻 太郎)
- 東京2020に考える「共に生きる社会」(弁護士:角家 理佳)
- 「ワクチンハラスメント」が急増しています(弁護士:中澤亮一)
- 新型コロナによる契約不履行について(弁護士:薄田真司)