2026.4.1
相続人、不動産を探す(弁護士 今井 慶貴)
※この記事は、株式会社東京商工リサーチ発行の情報誌「TSR情報」で、当事務所の理事長・企業法務チームの責任者 弁護士今井慶貴が2017年4月より月に一度連載しているコラム「弁護士今井慶貴のズバッと法談」を引用したものです。
第107回のテーマ

この“ズバッと法談”は、弁護士今井慶貴の独断に基づきズバッと法律関連の話をするコラムです。
気楽に楽しんでいただければ幸いです。
今回のテーマは、「相続人、不動産を探す」です。
その1.所有不動産記録証明制度とは?
今年の2月2日から“所有不動産記録証明制度”がスタートしました。
既に令和6年4月から相続登記の申請義務化が始まっていますが、不動産の登記記録は土地や建物ごとに作成されており、特定の人が全国でどの不動産を所有しているかを一覧で確認する仕組みはありませんでした。
そのため、相続人が被相続人名義の不動産を把握できず、相続登記が行われないまま放置されてしまう事態が少なからず生じていました。
この制度では、登記官が登記記録を検索し、特定の人物が所有権の登記名義人として記録されている不動産を一覧化した“所有不動産記録証明書”を交付します。
請求できるのは、所有権の登記名義人本人、相続人その他の一般承継人、これらの代理人です。
請求は、全国の登記所で書面又はオンラインにより行うことができ、郵送による申請も可能です。
検索を行うためには、氏名や住所などの検索条件を指定して請求します。
過去の氏名や住所で検索する場合には、それを証明する戸籍や住民票などの資料を添付する必要があります。
手続は、請求→検索→証明書交付という流れで進められます。
その2.検索はどんなふうに行われる?
検索は、請求書に記載された検索条件に基づき、登記官がシステムに入力して行います。
検索の基本的な仕様は、氏名(名称)の前方一致と、住所の市区町村までの一致、又は住所末尾5文字の一致などの条件によって候補を抽出する方法です。
法人の場合は、会社法人等番号が検索条件にあれば、完全一致による検索もなされます。
また、異体字については文字の縮退処理(特殊な漢字を一般的な漢字に変換)を行うことで、異なる字形でも検索できる場合があります。
手数料は、検索条件1件につき証明書1通ごとに課され、書面請求の場合は1,600円、オンライン請求の場合は1,470円(窓口交付)又は1,500円(郵送交付)となります。
検索条件の件数によるところがポイントです。
もっとも、この制度による検索結果には限界があります。
検索は氏名や住所に基づいて行われるため、登記記録と検索条件が一致しない場合には対象不動産が抽出されません。
また、同名同住所の別人の不動産が結果に含まれます。
さらに、登記がコンピュータ化されていない不動産や、所有権の登記がない不動産は検索対象となりません。
最後に一言。
最後に一言。
確かに、所有不動産記録証明制度による検索に一定の限界はありますが、市町村の名寄帳と併用することで、相続不動産の把握に役立つことは間違いありません。
~まず名寄せ、次に検索、登記せよ!~
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