2018.5.7
社員が書類送検された際の使用者の責任は?
弁護士の今井慶貴です。
TOKIOの山口達也さんが女子高生に強制わいせつをして書類送検されたニュースは、好感度が高かっただけに驚きでしたね。
山口さんは、被害者と示談しているので民事の賠償は終了しており、刑事事件も起訴猶予で終了したということです。
一般的に、社員が書類送検された際に使用者の責任はあるのでしょうか。
犯罪の中には、経済事犯を中心に、従業員の犯罪であっても使用者が処罰されるようなものがありますが、いずれにしても業務に関する犯罪に限られ、プライベートでの犯罪で使用者が処罰されることはありません。
また、民事責任についても、事業の執行についてなされた不法行為でなければ、使用者が民事責任を負うことは基本的にありません。
そのため、今回の山口さんの件でジャニーズ事務所が被害者に対し、直接に法的責任を負うことはないでしょう。
もっとも、山口さんのようなタレントの場合は、プライベートなことであってもイメージが損なわれることによって、CMや番組の出演がとりやめられたりします。
あくまで特殊なケースですが、間接的に使用者が民事上の責任を負ってしまうこともある、ということです。
さて、ジャニーズ事務所は山口さんとの契約解除を受け入れたとのことですが、今後どのような展開を見せるのでしょうか。
気になるところです。