新型コロナウイルス感染拡大により重大な影響を受けている事業者の皆様へ④『緊急事態宣言による日常生活や企業活動への影響について(令和2年4月8日現在)』(弁護士:勝野 照章)

 

 

 

1 緊急事態宣言の概要

令和2年4月7日,安倍総理大臣が,新型コロナウイルスの感染拡大に伴い,特措法32条第1項に基づく緊急事態宣言を出しました。

 

この緊急事態宣言により,令和2年5月6日までの間,埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県,大阪府,兵庫県及び福岡県の7都府県では,対象7都府県知事が不要不急の外出自粛や施設の使用制限の要請といった緊急事態措置を,法律に基づき講ずることができるようになります。

 

(参考)
◆新型コロナウイルス感染症対策本部(27回)
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202004/07corona.html

 

2 緊急事態宣言によって制限を受ける事項

緊急事態宣言によって,対象都府県知事は,強制力をもって臨時の医療施設開設のために個人の土地家屋や物資の使用ができ,また,医薬品,食料品等の売渡要請や収用もできるようになります。ただし,これらの行為は,所有者等の同意を得て行うことが原則で,正当な理由なく同意を拒否したり,所有者等が不明な場合に限って,強制的に使用等が可能になるという仕組みとなっています。

 

その他,対象都府県知事は,特措法に基づき住民への外出自粛要請や,遊技場,遊興施設,学校,福祉施設等の使用制限の要請,病院等の医療機関が不足した場合の,臨時の医療施設の開設,緊急物資の運送要請などの措置をとることができます。こちらの措置には強制力がありませんので,対象者に拒否された場合,更に身体拘束や建物の閉鎖といった措置を講じることはできません。

 

緊急事態宣言によって,具体的にどのような措置がとられる可能性があるかは,内閣官房の新型コロナウイする感染症対策のホームページにまとめられていますのでこちらもご確認いただければと思います。

 

◆新型コロナウイルス感染症対策本部(緊急事態宣言に関する資料・PDF)
https://www.cas.go.jp/jp/influenza/hp_tokuso.pdf

 

3 緊急事態宣言による日常生活や企業活動への具体的な影響

今回の緊急事態宣言によって,強制的に罰則を伴う外出規制や都市の封鎖がされることはありません。また,対象都府県知事による外出自粛要請がなされた場合であっても,「生活の維持に必要な場合(医療機関への通院,生活必需品の買い物,必要不可欠な職場への出勤,健康維持のための散歩やジョギングなど)の外出」は制限されません。緊急事態宣言に関する疑問等については,内閣官房のホームページにも掲載されていますので,参考にしていただければと思います。

 

◆内閣官房(進学コロナウイルス感染症対策)
https://www.cas.go.jp/jp/influenza/novel_coronavirus.html

 

緊急事態宣言では,外出自粛要請の他,一定規模以上の遊技場や遊興施設など多数の者が利用する施設に対して使用制限や催物の開催の制限等を要請することができるようになります。施設に対して使用制限や催物の開催の制限等の要請が行われた場合,正当な理由なくこの要請に応じないと,次の段階として制限等の指示を出すことができます。この指示にも従わないと,特措法に反する,違法状態となります。

 

要請や指示に従わない場合でも罰則等はありませんが,対象都府県知事は,要請又は指示をした場合,その旨を公表するとしていますので,要請や指示に従わない事業者名や施設名が公表されることで,実質的な不利益を科すことができる仕組みとなっています。

 

また,要請や指示に従わず,不要不急の外出を行ったり,施設使用や催物の開催等を行い,新型コロナウイルスの感染を拡大させてしまった場合は,要請や指示を受けていない場合と比べて,利用者や従業員等から善管注意義務違反等を根拠に民事上の責任追及を受けるおそれが高くなります。

 

したがって,少なくとも,今後,緊急事態宣言の期間が終了するまでは,対象都府県から出される情報に注意していただき,要請等の対象に該当する場合には,できる限り従っていただくことが最善と考えられます。

4 緊急事態宣言が出されていない地域について

現在,緊急事態宣言が出されていない地域の皆様におかれましては,外出を控えるべきなのか,また,お店の営業を自粛すべきなのかの判断に迷うことがあると思います。

実際,感染者数が多くない地域では,どこまで活動を自粛すべきなのかという意見を聞きますが,現状明確な答えはない状況です。

 

しかし,各地方自治体では,地方自治体のイベントや行事等開催に関する一定の指針を発表しているところがあり,そういった判断基準を参考に今後の活動を計画してもらうこともご検討いただくとよろしいかと思います。

 

例えば,長野県では,県主催イベント・行事及び施設運営についての当面の判断基準として,延期又は中止するイベント等の基準や,イベント等を開催する場合に遵守すべき項目等を掲載しています。
このような各自治体が設けている判断基準も是非一度ご確認いただければと思います。

 

 

(参考)
◆長野県の例(県主催イベント・行事及び施設運営についての当面の判断基準)

https://www.pref.nagano.lg.jp/hoken-shippei/kenko/kenko/kansensho/joho/documents/ibentogyoji2.pdf

 

 

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この記事を執筆した弁護士

弁護士 勝野 照章

一新総合法律事務所
弁護士 勝野 照章

一新総合法律事務所 長野事務所所属。 2015年弁護士登録。
これまでに、相続人多数で特別受益・寄与分・相続財産の使い込みなど様々な問題のある遺産分割、高額物件の保全処分、税務紛争、死亡又は重い後遺障害が伴った交通事故訴訟など、複雑で専門的な紛争解決を多数扱い解決してきました。
刑事事件では、平成31年2月に無罪判決(確定)を獲得し、その他、少年鑑別所送致の阻止、示談などの弁護活動による不起訴処分など全力で依頼者の利益を追求してきました。
依頼者に寄り添い、最善の結果を出せるよう誠心誠意対応します。よろしくお願いいたします。

 

 

       

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