ジャズバーのお客さんの正体は…?

WEB担当の萩原です。

 

昔、東京のある町に、友人のI君が店長を勤めるジャズバーがありました。

 

ある日お店に行くと、大きめの音量でセロニアス・モンクのレコードがかかっていて、テーブルに濃いサングラスをかけた男性が独りで座っていました。

 

テーブルに白い杖を立てかけているので、目が不自由な方のようです。

私はその男性をどこかで見たことがある気がするのですが、思い出せません。

 

 

I君に聞くと、最近ときどきコーヒーを飲みにくるお客さんで、必ずセロニアス・モンクのレコードをリクエストして帰るそうです。

 

あとになってから気がついたのですが、その方はクラシック・ピアニストの梯剛之さんだったのではないかと思います。

梯さんの顔に見覚えがあったのは、当時は彼が突然行方不明になってコンサートをキャンセルしたことがニュースになってからしばらく経った頃だったからです。

 

次にお見かけしたら声をかけようと思っていたのですが、結局、その男性がお店に来たのはそのときが最後だったそうです。

 

果たして梯さんはセロニアス・モンクのファンなのでしょうか。

そうだとしたら間違いないと思うのですが、まだ確認はできていません。

 

事務所内で「梯剛之さんのコンサートに行きませんか」というお誘いが流れているのを見て、ふと思い出した話です。