2018.3.15

『スター・ウォーズ』と『千と千尋』の共通点とは?

神話の力』といった著作で知られるアメリカの神話学者、ジョーゼフ・キャンベルをご存知でしょうか。

 

キャンベルは、世界中の民族が持つ独自の神話を研究し、その中にいくつかの共通した構造があることを指摘しました。

たとえば、このようなものです。

 

(1)主人公は別の非日常世界への旅に出る

(2)そこで何らかのイニシエーションを経る

(3)元の世界に帰還する

 

キャンベルはこの類型を「英雄の旅」と名付けました。

 

 

世界的に知られている物語には、古今東西を問わず、同じような構造を持っているものが数多くあります。

 

たとえば、『スター・ウォーズ』で知られる映画監督のジョージ・ルーカスはキャンベルの神話論に大きな影響を受けたことで知られています。

また、宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』をご覧になった方は、そのストーリーが典型的な「英雄の旅」の構造を有していることがお分かりいただけるでしょう。

 

キャンベルは神話の構造を非常に細かく細分化しており、たとえば、英雄は旅の途中で自分自身を導いてくれる「メンター」に出会う、とされています。

そして「メンター」は多くの場合、老人の姿をしています。

 

つまり『スター・ウォーズ』の「ヨーダ」と、『千と千尋』の「釜爺」や「湯婆婆」は、キャンベルの神話論では同じ役割を担っていることになります。

 

 

そのほかにも、「ロード・オブ・ザ・リング」や、ゲーム「ドラゴンクエスト」のストーリーも「英雄の旅」の構造に当てはまると言われています。

 

「時代も言語も地域も違う物語が、共通の構造を有している。」

 

考えれば考えるほど不思議なことではないでしょうか。