2026.4.6

【個人情報保護法②】それ、個人情報です!

個人情報保護法について、企業法務チーム所属弁護士がリレー形式で解説します。

第2回のテーマは、個人情報保護法の重要概念である「個人情報」を扱います。


「個人情報」とは何でしょうか?

 「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により、特定の個人を識別することができるものをいうとされています(個人情報保護法第2条第1項第1号)。

「生存する個人に関する情報」であり、「特定の個人を識別することができる」という点が重要です。似たように使われる言葉に「プライバシー」があります。

もっとも、これは私生活上の平穏、又は、私生活では他人の干渉が排除されるべきことを意味するといわれており、「個人情報」とは異なる概念です。

問題となる情報が「個人情報」に該当すると、利用目的の特定、不正取得禁止、不適正利用禁止、安全管理措置、漏えい時の報告義務、第三者提供の規制等、個人情報保護法が定める諸規制が適用されます。

どのような情報が「個人情報」に該当するのですか?

例えば、本人の氏名や顔画像は、それ単体で特定の個人を識別することができます。

読者の皆様が特定の人物の本人確認を行う場合、その人物本人と対面し、まず、相手の氏名を聞き、運転免許証のコピーをもらう等すると思います。

これは皆様がその人物本人という生存する特定の個人を識別できる情報を得て本人確認をしているのであり、ここでいう氏名や顔画像はまさに個人情報に該当します。


これに対し、生年月日、電話番号・メールアドレス等の連絡先は、それ単体では特定の個人を識別できるとまでは言い切れません。

もっとも、氏名等の他の情報と組み合わせることにより、特定の個人を識別することができる場合には、総体として(当該情報と氏名がセットで)全てが個人情報となる点に注意が必要です。

見落としがちな「個人情報」はありますか?

受け取った名刺に記載された諸情報ですね。

名刺には、氏名、会社名、所属部署、会社の住所、電話番号、メールアドレス等が記載されています。

中には、顔写真がプリントされている名刺もあります。名刺は、その作成者を特定できる情報を相手に端的に伝えるために交付されるものであり、名刺に記載された諸情報は、基本的にはその総体が全て個人情報に該当すると考えてよいと思います。

読者の皆様は、受け取った名刺を業務デスクや自宅のテーブルの上に置きっぱなしにしていませんか。

受け取った名刺を紛失し、第三者がそれを入手した場合は、個人情報の漏えいといわれてもやむを得ません。

取引先からの信用をなくしてしまいますし、名刺を拾った悪意ある第三者からスパムメール等が発信される等、取引先に実害も生じ得ます。

<初出:顧問先向け情報紙「コモンズ通心」2026年2月5日号(vol.312)>

※掲載時の法令に基づいており、現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。

◆連載◆「個人情報保護法」について
1.個人情報保護法のあらまし
2.個人情報に該当するものとは
3.個人情報保護法の基本ルールと実務のポイント ※準備中
4.個人情報保護法における第三者提供と委託 ※準備中
5.本人からの請求に対する対応 ※準備中
6.※準備中※

この記事を執筆した弁護士
弁護士 薄田 真司

薄田 真司
(うすだ まさし)

一新総合法律事務所 
弁護士

出身地:新潟県胎内市 
出身大学:神戸大学法科大学院修了
主な取扱分野は、企業法務(労務・労働事件、倒産対応、契約書関連、クレーム対応、債権回収など)。そのほか個人の方の債務整理、損害賠償請求、建物明け渡し請求など幅広い分野に対応しています。
事務所全体で300社以上の企業との顧問契約があり、数多くの企業でハラスメント研修の講師を務めた実績があります。また、社会保険労務士を対象とした勉強会講師を担当し、労務問題判例解説には定評があります。

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