株主総会の招集期間(弁護士今井慶貴)

 

株主総会を招集する際、取締役は、原則として、総会日の「2週間前までに」株主に通知を発しなければなりません。

 

もっとも、公開会社でない株式会社(全部の株式に譲渡制限がある会社)は総会日の「1週間前まで」なので、大半の中小企業については、1週間前までに通知すれば大丈夫でしょう。

 

このうち、取締役会設置会社以外の株式会社については、「これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間」とさらなる短縮が可能です。

 

ところが、非公開会社(取締役会非設置会社も含め)であっても、書面や電磁的方法により議決権を行使できるとした場合には、原則どおり「2週間前まで」となります。

以上のことが、会社法299条1項で定められています(二重かっこで読みにくい条文です。)。

 

さらに、株主全員の同意があるときは招集の手続きを省略できます(法300条)。

招集期間は、出席の機会と準備の期間を確保するためのものだからです。

 

この場合も、書面や電磁的方法により議決権を行使できるとした場合は、例外とされています。

なお、委任状による議決権の代理行使は、上記した書面による議決権の行使にはあたりません。

 

弁護士 今井 慶貴

 

<初出>

・顧問先向け情報紙「こもんず通心」2014年5月15号(vol.150)企業・団体チーム17

※掲載時の法令に基づいており、現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。