2026.7.22

【個人情報保護法⑤】本人からの請求等に対する対応

連載第5回のテーマは、「本人からの請求等に対する対応」について解説します。


1.本人からの請求等に対する対応

個人情報取扱事業者は、本人からの各種請求等に関し、以下のような対応等をする必要があります。


① 保有個人データの開示請求

この請求を受けた場合、原則として、遅滞なく、本人が請求した方法(電子データの提供、書面の交付等)により開示を行わなければならず、全部または一部の開示をしないときや、当該保有個人データが存在しないとき等には、本人にその旨を通知しなければなりません。

② 保有個人データの第三者提供記録の開示請求

この請求を受けた場合も、①の場合と同様の対応をする必要があります。

③保有個人データの内容の訂正、追加または削除の請求

この請求を受けた場合、利用目的の達成に必要な範囲内で、遅滞なく必要な調査を行い、その結果に基づき当該保有個人データの訂正等を行う必要があり、訂正等をした場合にはその旨を訂正等の内容とともに、訂正等を行わない旨の決定をした場合はその旨を、遅滞なく、本人に通知しなければなりません。

④個人情報保護法違反または法律に定められた事由を理由とする、保有個人データの利用停止、消去または第三者への提供の停止請求

この請求を受け、請求に理由があることが判明したときは、原則として、必要な限度で、遅滞なく、当該保有個人データの利用停止等または第三者への提供停止を行わなければなりません。利用停止等や第三者への提供停止を行ったときや、利用停止等や第三者への提供停止を行わない旨の決定をしたときは、遅滞なく、本人にその旨を通知しなければなりません。

⑤保有個人データの利用目的の通知の求め

この通知を求められたときは、原則として、遅滞なく、本人にこれを通知しなければなりません。

⑥苦情の適切な処理、体制の整備

個人情報取扱事業者は、個人情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならず、また、この目的を達成するため、苦情処理窓口の設置や苦情処理の手順を定める等必要な体制の整備に努めなければなりません。

2.請求等に応じる手続等に関する定め

① 請求等を受け付ける方法等の定め

個人情報取扱事業者は、前記の1①~⑤までの開示等の請求等に関して、受け付ける方法(申出先、請求等に際して提出すべき書面の様式等)を定めることができ、この定めをした場合、本人はこの方法に従う必要があります。

② 手数料

前記1の①の請求や前記1の⑤の求めに関して、実費を勘案して合理的と認められる範囲内で、手数料の額を定めて徴収することができます。

③理由の説明

個人情報取扱事業者は、前記の1①~⑤までの開示等の請求等に対して、本人から求められた措置の全部または一部の措置をとらない旨を通知する場合、その理由を説明するよう努めなければなりません。

3.最後に

本人からの請求等については、受け付ける方法等を定めて公表をしたうえ、内部的な対応マニュアルなども作成しておくと円滑な対応が可能になると思われます。

<初出:顧問先向け情報紙「コモンズ通心」2026年5月5日号(vol.315)>

※掲載時の法令に基づいており、現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。

◆連載◆「個人情報保護法」について
1.個人情報保護法のあらまし
2.個人情報に該当するものとは
3.個人情報保護法の基本ルールと実務のポイント
4.個人情報保護法における第三者提供と委託
5.本人からの請求に対する対応
6.※準備中※

この記事を執筆した弁護士
弁護士 鈴木 孝規

鈴木 孝規
(すずき たかのり)

一新総合法律事務所  弁護士

出身地:静岡県静岡市
出身大学:一橋大学法科大学院既修コース卒業

主な取扱分野は、企業法務(労務・労働事件(企業側)、契約書関連、クレーム対応、債権回収など)。そのほか相続、金銭トラブルなど幅広い分野に対応しています。
企業法務チームに所属し、社会保険労務士向け勉強会では、ハラスメント対応をテーマに講師を務めた実績があります。

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