2026.10.29

【社内調査の進め方②】社内調査・不祥事対応の端緒

※本コラムでは「社内調査の進め方」について6回に分けて解説していきます。第2回のテーマは「社内調査・不祥事対応の端緒」についてです。


1.はじめに

社内調査は、何らかの不祥事が発生した際に行うものですので、そもそも企業が不祥事を把握するきっかけがなければ、社内調査自体を行うことができません。

そこで本稿では、社内調査を行う端緒について説明していきます。

2.社内調査の端緒の例

社内調査の端緒としては、一例として次のものが考えられます。

① 上司・同僚への相談、社内資料と実態との不一致

普段の業務を行う中で、不祥事に気づいたり、違和感を感じたりした従業員が、上司や同僚に相談したことがきっかけとなり、経営陣も不祥事を把握することがあります。

普段の業務において、社内資料を確認した従業員が、会社の実態を反映していないことに気づき、そこから不祥事が発覚することも考えられます。

② 内部通報

会社において内部通報窓口等を設置している場合、不祥事等に気づいた従業員が担当部署に内部通報を行うことにより、不祥事が発覚することも考えられます。

③ 外部への相談

従業員が外部に相談し、それをきっかけとして不祥事が発覚する場合もあります。例えば、従業員が、労務問題について労働局に相談し、そこから不祥事が発覚する場合等が考えられます。

④ 外部からの照会・調査等

税務調査や、監督官庁の調査・照会等により不祥事が発覚することもあります。

また、会社が、不祥事等により被害を受けた相手方から、損害賠償等の請求を受けたことをきっかけとして、当該不祥事等が発覚する場合も考えられます。

3.早期発見の重要性

外部への相談や外部からの照会・調査によって、不祥事が発覚してしまう場合には、何らかの処分がなされたり、賠償責任を負ったりするなど、会社の経営に深刻な影響を及ぼす可能性もあります。

そこで、このような事態に至る前に、早期に不祥事を把握し、会社に対する損失を最小限にとどめることが重要といえます。


会社の規模や業種等によって早期発見の方策は異なると思われますが、一例としては、社内資料等の確認を定期的に行う、確認を行う担当を都度変更するなどが考えられます。

また、内部通報窓口を設置する場合も、十分に機能するよう、通報者の保護を徹底する、通報に対して真摯な対応を行う等も重要といえます。

4.おわりに

不祥事の発見が遅れれば遅れるほど、その不祥事が積み重なっていき、会社への影響や世間からの注目等も大きくなっていきかねません。

各会社において、自社に適した不祥事発見のための措置を複数実施することが重要と思われます。

◆参考:瓦林 道広「 中小企業向け 社内調査の進め方」(労働新聞社 2021年)

<初出:顧問先向け情報紙「コモンズ通心」2026年8月5日号(vol.318)>

※掲載時の法令に基づいており、現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。

◆連載◆社内調査の進め方
1.社内調査の目的・対応の流れ
2.社内調査・不祥事対応の端緒 
3.社内調査体制の構築 ※準備中
4.社内調査における客観資料の収集・検証 ※準備中
5.準備中
6.準備中

この記事を執筆した弁護士
弁護士 鈴木 孝規

鈴木 孝規
(すずき たかのり)

一新総合法律事務所  弁護士

出身地:静岡県静岡市
出身大学:一橋大学法科大学院既修コース卒業

主な取扱分野は、企業法務(労務・労働事件(企業側)、契約書関連、クレーム対応、債権回収など)。そのほか相続、金銭トラブルなど幅広い分野に対応しています。
企業法務チームに所属し、社会保険労務士向け勉強会では、ハラスメント対応をテーマに講師を務めた実績があります。

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