法人の任意整理
任意整理とは、裁判所を通さずに、債務者の方で依頼した弁護士が主導して、負債の整理を行う手続のことです。
会社の再建を図るための「再建型」の任意整理もありますが、ここでは「清算」を前提とした任意整理のことを説明します。
任意整理は、対外的には、代理人弁護士による債権者等への通知(受任通知)からスタートするのが一般的です。
受任通知は、債権者(金融機関、仕入先、未払先、リース会社等)と債務者(得意先)などの関係者にFAXまたは郵送で通知します。
当事務所に依頼される場合、タイミングや通知前後の段取り(従業員や債権者への対応を含む)についても、混乱が最小限になるように配慮します。
基本的に、債権者対応は代理人弁護士の事務所が窓口になって行いますので、代表者が対応する必要はありません。
最終の債権額が判明していない場合が大半であるため、代理人事務所宛に債権届出をしてもらいます。
債権者説明会を実施した方が適当な場合には、会場をセッティングして代理人弁護士が主催して行います(最近は、債権者説明会は実施せず、文書による通知・報告や代理人の個別対応で代える場合が多いです。)。
リース物件や預かり品がある場合には、返品対応を行います。
資産の換価(売却)や売掛金等の債権回収は、基本的に代理人が行います。
換価・回収の目途が立った段階で、債権者への配当を行います。
配当の順序は、整理のための費用、税金・社会保険料等の公租公課、従業員の給料等の労働債権をまず優先して支払い、残金がある場合に、借入金、未払い等の一般債権者に対して、原則的に債権額に比例した額の配当を実施します。
配当ができない場合には、債権者に収支報告の文書を送付して整理を終了します。