2017.9.11
「新潟日報LEADERS倶楽部」のカンファレンスで当事務所の弁護士が講師を務めました
「働き方改革実現への第一歩」
2017年9月7日に「新潟日報LEADERS倶楽部」の一環として新潟日報メディアシップで行われたカンファレンス「『働き方改革実現への第一歩』~生産性を上げ、長時間労働を抑制する効率的な働き方とは」で、当事務所の 弁護士 五十嵐 亮 が講師を務めました。
「新潟日報LEADERS倶楽部」は、新潟日報社様が主催する取り組みで、「これからの新潟に必要な力」を育成することをリーダーの役割と捉え、「新潟の良さを認識し、発信する」をテーマに各世代が考え、力を付けることを目的としています。
新潟県内の企業から約20名の若手・中堅社員の方々が参加した今回のカンファレンスは、参加者同士によるグループワークを交えながら3時間にわたって行われました。
ここではカンファレンスの内容を一部ご紹介します。
なぜ、いま「働き方改革」?
企業における「働き方改革」の必要性が声高に叫ばれています。
厚生労働省によると、働き方改革は「女性も男性も、高齢者も若者も、障害や難病のある方も、一人ひとりのニーズにあった、納得のいく働き方を実現する」ことを目的としています。
なぜ、いま「働き方改革」なのでしょうか。
背景には、少子高齢化と人口減少による労働人口の不足があります。
働き手の現象が続く社会で総生産額を維持していくためには、企業が既存の正規雇用労働者を中心とする採用戦略から脱皮し、女性、高齢者、障がい者、外国人などの多様な人材に目を向けることが必要不可欠です。
企業の総生産額は、「労働力」と「一人当たりの生産性」を掛け合わせることによって求められます。働き方改革は、生産性向上および長時間労働の是正を進めることが、一人一人の潜在力を最大限に発揮していくという考え方に基づいています。
労働の「質」を高めることは、「生産性」の向上に加え、育児や介護と仕事の両立促進にもつながります。
生産性の向上と長時間労働の抑制との関係
生産性の向上と長時間労働の抑制を推し進めるときに気を付けなければいけないことがあります。それは、長時間労働の抑制だけが先行しないようにすることです。
たとえば、仕事の量は変わらないのに長時間労働だけを無理に行えば、「残業時間は減ったが、結局、朝来て仕事をしているので隠れ時間外労働が増えただけ」ということになりかねません。
生産性の向上と長時間労働の削減は車の両輪のような関係にあります。生産性を向上することにより、長時間労働が削減されます。それにより、余暇を有効活用することができ、さらに生産性が向上します。生産性の向上と長時間労働の削減の循環を作ることが、働き方改革の成功の秘訣であるともいえます。
生産性を向上させるための3つの要素
生産性を向上させるためには、必須となる3つの要素があります。
経営者の理念と会社全体への浸透
第一の要素は、経営者の理念と会社全体への浸透です。
経営者が働き方改革の理念を理解し、率先して実行しなければ、組織の風土は変わりません。さらに、その理念が会社全体に浸透しなければ意味がありません。
経営者の理念を浸透させることによって、現状の働き方を変えていくことの心理的負担を軽減させ、社員が働き方改革を好意的に受け止め、能動的に参画することが期待できます。
逆に、経営者・管理職の中に長時間労働が美徳という暗黙の意識がある限り、どんなに「働き方を変えて早く帰りましょう」と言っても従業員は変わりません。
社内の業務・システムの見直し
第二の要素は、「社内の業務・システムの見直し」です。
業務効率の改善、過剰業務の見直しと優先順位の明確化、担当者のスキル向上といったアプローチにより、従来のやり方を変えていく必要性があります。
理念に即した人事制度の導入
第三の要素は、「理念に即した人事制度の導入」です。
具体的には、人事制度やルールを見直すことで多様な人材を確保し生産性を向上させるための土台を整備すること、人材を支援する仕組みを整備すること、生産性向上を評価する仕組みを導入することなどが考えられます。
これら3つのうち、どの要素が欠けても働き方改革は達成されません。
無駄な会議をなくすためには
非効率な会議の弊害
多くの企業で問題になっているのは、非効率的な会議です。
年収500万円の人が集まって2時間の会議を行うと、約10万円の人件費がかかることになります。これを月1回のペースで実施したとすると、年間の人件費は約120万円に、会議時間はのべ480時間にもなります。会議のあり方の見直しは、生産性の向上と長時間労働の削減に大きく貢献します。
会議が効率的に行われていない会社においてしばしばありがちなのは、必要でない会議が行われている(会議の頻度が多すぎる)、会議が長すぎる、参加者のスケジュール調整が負担になっている、結論が持ち越されている、会議の時間が守られていない、会議で決定した事項が実施されない、といった問題です。
ITの有効活用を
無駄な会議の削減に有効的なのが、ITの活用です。
たとえば、協働編集機能により資料を複数名により同時に編集することが可能です。これにより、担当者がたたき台を作成して上司に確認を取り、その都度修正を行うといった非効率性が改善されます。
また、遠隔会議機能を活用することにより、PCがあれば世界のどこにいても同時会議が容易に可能です。出張をなくし短時間で会議を終わらせることができます。
さらに、社内SNSの活用により、アイディアや情報を社内でリアルタイムに共有したり、進捗状況の見える化が実現できます。
リアルタイムでの翻訳技術や、発言内容を自動で文書化する技術など、今後のイノベーションによって実現する可能性がある技術もあります。これらを積極的に活用することで、会議をより効率的で充実したものに変えることが期待できます。
さいごに
カンファレンスでは、参加者の皆様に生産性向上について熱心に議論していただきました。
県内の有力企業が一堂に会して働き方改革について議論をする大変貴重な機会となりました。
当事務所としましても、働き方改革に関し、人事制度・社内制度の整備の面よりお手伝いをすることが可能です。
是非ご利用ください。
また、一新総合法律事務所には企業向けの社内研修やセミナーの経験が豊富な弁護士が多く所属しております。働き方改革、ハラスメント対策、クレーム対応、情報漏洩対策など、幅広いテーマに対応いたします。
詳しくは当事務所までお問い合わせください。
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