債権回収の注意点

消滅時効とは

 

債権管理、回収にあたっては、注意すべき事柄が多数存在します。

消滅時効の期間も注意すべき代表的な事柄の一つです。

 

債権の種類に応じて、定められた時効期間を過ぎてしまうと、消滅時効が問題となります。

 

時効期間を経過した場合、債権者が債務者に対して支払いを求めても、債務者側が時効を主張した場合には、債務者の支払い義務が法的に消滅し、回収不能となってしまいます。

消滅時効の期間は「権利を行使することができるとき」から計算しますが、債権の種類によってさまざまな期間設定がなされています。

 

■消滅時効の時効期間 代表的な例

債権の種類 時効期間
・旅館・宿泊費、飲食料

・運送費

・大工、俳優、歌手、プロ野球選手の賃金     など

1年
・売掛金債権

・美容師、クリーニング店などの仕事に関する債権

・労働者の賃金(給料・賞与など 退職金)

2年
・医師、助産師、薬剤師の仕事上生じた債権

・請負工事代金

・不法行為に基づく損害賠償請求権

3年
・一般の商事債権

・家賃・地代、利息、マンションの管理費など

5年
・一般の民事債権

・確定判決、和解調書、調停調書によって確定した債権

10年
・債権または所有権以外の財産権 20年

 

上記の表は一般的な区別によっていますが、厳密にどの種類の債権に該当するかは、個々の事案に応じた判断が必要になりますので、弁護士への相談が不可欠です。

 

時効の成立を防ぐ方法

債権者としては、時効期間を意識しつつ、債権が時効にかからないよう債権の管理を行う必要があります。

 

債務者がどうしても督促に応じない場合には、必要に応じて、民事調停申立、支払督促申立や訴訟提起を検討します。

債務者による財産処分により回収不能となることを防ぐため、訴訟提起等に先駆けて、保全処分(仮差押えや仮処分)を講じることもあります。

 

法的手続を取ることで時効の中断(時効期間の進行を止めるもの)となりますので、安心して債権の回収が可能です。

 

なお、内容証明郵便等を用いて督促しただけでは時効期間の進行は止まりませんので注意が必要です。

 

一新総合法律事務所のサポート

 

弁護士に依頼をしていただくことで、面倒な債務者との交渉や内容証明郵便などの書面の作成を代理で行うことが可能です。

 

また、債権回収は、全てのケースで訴訟提起や保全処分が必要というわけでもありませんし、取り得る手段を全て講じれば必ず回収できるというものでもありません。

費用対効果の観点から、適切な手段選択を行う必要があります。

 

一新総合法律事務所の弁護士は、さまざまな債権回収の案件を扱った経験・ノウハウがありますので、事情を丁寧にうかがったうえで、貴社の利益に合致した適切な選択ができるようお手伝いいたします。

 

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