建設業・土木工事業を営む会社の破産管財人を担当した事例
<破産申立てに至る経緯>
建設業を営んでいた会社が、官庁工事を中心に受注していたが、工事の減少等により経営が悪化し事業停止となりました。
負債額は約2億円ありました。
債権者の多くは、金融機関や仕入れ業者等でした。
<破産管財人として行った業務>
破産管財人としての業務としては、多岐にわたりましたが、主に、売掛金の回収、車両等動産類の売却及び店舗不動産の処分がありました。
売掛金の回収については、売掛先(販売先)の多くが業者ということもあり、比較的円滑に進み、ほぼ帳簿通りの金額を回収することができました。
また、車両等動産類の売却については、一括買取をすることが可能な業者を募ったうえで入札方式により、売却先を選定したことにより、高価での売却を行うことができました。
そして、本社の不動産については、不動産業者を通じて買受先を募りましたが、適正な価格での買受希望者が現れず、破産財団から放棄することとなりました。
<最終的な解決内容>
本件では、車両が高額で売却できたことにより、多くの破産財団(配当の原資)を形成することができました。
公租公課や労働債権を弁済した上、余剰がありましたので、一般債権者に対しても配当を実施することができました。
<本件のポイント>
売掛金の回収や在庫商品の売却を円滑に行うためには、在庫の管理や売掛金の管理を正確に行うことが不可欠となります。
本件のように車両の売買については、各車両の車検証や鍵をきちんと管理することは当然ですが、各車両の車種、走行距離、保険の有無、自社所有かリース物件か等につき、整理されていると売却手続きを円滑に進めることが可能です。
不動産については、築年数や立地地域によっては、買い手がつかないことも少なくありません。
管財人としては悩ましいところです。