退職した元従業員からの未払い賃金の請求

<相談前>どんな事で困っていたのか

退職した元従業員(相手方)から、未払い給与の支払い請求の通知がきた。

一方で、会社(依頼人)のその後の調査で、相手方が在職中に、会社に帰属する情報データを無断で消去したり、会社の備品を汚損するなどしていたことが判明し、会社はそれらの損害の賠償を相手方に請求したいと考えて相談にきた。

<相談後>状況はどのように変わったのか

お互いに相手に対して支払うべきものがあることから、内容を確定させた上で、お互いに支払いを免除する内容で合意した。

また、依頼人は、相手方に、会社の営業に関わる情報を漏洩したり、会社の信用を害するような誹謗中傷をしないことを約束させた。

弁護士からのコメント(見解)

訴訟になると、解決までに時間、費用、労力がかかり、企業に与える悪影響は小さくない上、訴訟になった場合に、依頼人の相手方に対する請求がどの程度認められるかについても、不確定要素が大きい事案だった。

一方、相手方からの未払い賃金の請求については、争うことは困難と思われ、依頼人の方が多くの金銭を支払わなければならない可能性が高かった。


そのような事案で、依頼人が金銭を支払うことなく、また相手方に情報漏洩や誹謗中傷を禁じる約束をさせ、交渉により早期に解決できたことは、依頼人にもメリットが大きかったと思う。