掲示板サイトに誹謗中傷を書き込まれた事例

<相談前>どんな事で困っていたのか

複数のサービス業を営む株式会社からの相談です。

 

インターネット上の掲示板サイト「爆サイ」に、相談会社の商号がスレッド名に記載されたスレッドが立ち上がり、同社に対する批判が書き込まれました。

同社のサービス内容に対する純粋な批評に留まらず、同社従業員について侮辱する内容であるとか、同社商品(製造業も一部営んでいる。)について欠陥だらけであるなど、根も葉もない事実摘示がありました。

同スレッドが存在することが広く周知されたわけでないものの、同社従業員がこれを発見し、拡散する前に対応をとりたいということで相談に来られました。

 

相談に先立ち、「爆サイ」における投稿内容について証拠化してもらい、相談時に持参していただきました。

<相談後>状況はどのように変わったのか

弁護士は、投稿内容を確認し、まず相談会社に対する誹謗中傷であると特定できるか(相談会社以外に対する誹謗中傷であると判断される余地はないか。これを同定可能性の問題といいます。)を確認しました。

スレッド名に、同社の名前が、伏せ字を使うことなく記載されていたため、誰に目にも、同社に対する書き込みであることは明らかでした。

 

次に、書き込みの内容について検討し、明らかに相談会社の社会的評価を下げるものであることを確認しました。

また、スレッド名からして、同社の社会的評価を下げるものとなっていました。

そのため、同社に対する名誉毀損や営業権侵害にあたりうると判断しました。

 

相談会社としては、このスレッドを作った人物や、各投稿をした人物の特定よりも、スレッドが存在することによる風評が広まることを防ぎたいという強い意向を持っていました。

そのため、当事務所の弁護士が代理人に就任し、爆サイ運営会社に対して、一部スレッド自体の削除と、個別の投稿の削除を依頼しました。

 

この案件は、一見して明らかなスレッド名、投稿内容だったこともあり、「爆サイ」運営会社が用意している削除フォームを通じた削除依頼により、依頼通りの削除結果を得ることができました。

弁護士からのコメント(見解)

インターネット上の誹謗中傷事案はここ数年、個人、法人いずれの相談も増加傾向にあります。

本件では、削除フォームによる削除が成功しましたが、これでは削除されないこともあります。

その場合には、専用の書式(いわゆるテレコム書式)を利用して、削除依頼することも検討しなければなりません。

また、全ての投稿に対して希望通りに削除ができるわけではないことに注意が必要です。