M&A後の内部規程の整備をした事例
<弁護士に相談する前、どんな事で困っていたのか>
製造業を営む依頼企業が、株式譲渡の方法により、自社事業と関連性を有する別の製造業者(以下「対象会社」という。)を取得しました。
事業規模拡大を目指していた依頼企業にとっては、譲り受けた対象会社を取得できたことは好ましい結果でありましたが、企業風土が異なり、労務管理の方法等も大きな違いがあったため、株式譲渡後の対象会社の内部整備が必要となりました。
<弁護士に相談した後、状況はどのように変わったのか>
相談時に、対象会社のどのような点に課題があるか依頼企業の代表者と対象会社の経営を任された役員からヒアリングを行い、整備すべき事項のピックアップを行いました。
さしあたり対象会社の労務管理体制を構築する必要があると判断し、就業規則の改定等の作業を弁護士がアドバイスしながら進めていくこととなりました。
またM&A後に生じうる課題についても意見交換を行い、譲受後の事業運営が円滑に進むよう弁護士がアドバイスを行いました。
<弁護士からのコメント>
M&Aを実施した後、買収した事業との統合プロセスのことをPMI(Post Merger Integration)と言います。
M&Aを実施しても、従業員からの理解が得られず離職が続いたり、譲受企業と対象企業との統合が上手くいかず現場の混乱が生じることは少なくありません。
最悪の場合、統合が上手くいかず、再び分かれてしまうこともあります。
M&A仲介会社もPMIの重要性を指摘はしますが、実際にはM&Aが成立した後は仲介会社の関与は少なくなり、好ましい統合が完了するまで面倒を見てくれる例は少ないように思います。
そのような場合に、法律事務所と顧問契約を締結することなどにより、M&Aの場面だけでなく、その後の事業運営にあたっても適宜相談できる体制を持っておくことは有益といえます。
また、法律事務所はあくまでも法的な相談が中心となるため、経営戦略や財務の面でも相談できる専門家を持っておくことも同様に不可欠となります。