訴訟上の和解によって未払請負代金を回収した事例

<相談前>どんな事で困っていたのか

工事を完成させたものの、注文者から期限までに代金を支払ってもらえず、その後注文者と音信不通となったため、相談に来られました。

<相談後>状況はどのように変わったのか

弁護士が代理人として注文者に対し催告書を送りましたが、何も反応がありませんでした。


そこで、すぐに訴訟を提起したところ、注文者は裁判所に出頭し、「未払請負代金があることに間違いありません。今度は必ず支払うので、分割払いにさせてください。」と述べました。


そこで、「分割金の支払を1回でも怠ったら、残額を一括して支払う義務を負う」という条件で分割払いをすることを約束してもらい、訴訟上の和解を成立させました。


その後、注文者は和解の内容に従い、全額を支払いきりました。

弁護士からのコメント(見解)

代金を支払わないまま、のらりくらりとする債務者は少なくありません。
しかし、そのような債務者でもいざ、訴えられれば危機感を持つ場合が多いです。
判決が出され、支払いができなければ、財産の差押え等の強制執行をされる可能性も出てくるからです。


今回の件でも、場所が裁判所に移ったことで注文者の態度が変わりました。
今回は、債務者が支払いの意思を見せたため、分割払いを内容とする訴訟上の和解を成立させました。


訴訟上の和解であっても、判決と同様、守らなければ強制執行の申立てをすることができます。


また、和解に「支払いを1回でも怠ったら残額を一括で支払う義務が生じる」という条件をつけたことで、債務者に対するプレッシャーになりました。